橋田歩果「自分が『かわいい』を突き通すようになってから、お母さんには『嗣永桃子さんみたいになってほしい』って言われました」

――そもそも、かわいいが自分には合っていると
思ったきっかけってなんだったんでしょう？

　初めての実力診断テストでカントリー・ガールズさんの
「One Summer Night ～真夏の決心～」を
歌わせていただいて。そのときはまだ
ハロー！プロジェクトのことをよく知らなかった
ので、曲をイチから探したときに、あの曲が
「一番好き！」と思ったんです。結果、
その回の実力診断テストでは窪田七海さん
（現・OCHA NORMA）が歌唱賞を受賞
されたんですけど、先生が「今までカッコいい
窪田七海しか観たことなかったけど、
一気に殻を破って、かわいいに全振りした
パフォーマンスが素敵だった」とおっしゃって
いるのを聞いて、それがきっかけで
かわいいを突き通してみたいかもと
思ったんです。で、次の年にBuono!さんの
「Kiss! Kiss! Kiss!」を歌わせていただいて。
今思うと、明らかに自分の音域には
合っていないし、ハードルが高い曲
だったんですけど、私もかわいいに全振り
したかったから、プリキュアみたいな
イメージで衣装も選んで歌ったんです。
そしたら、めっちゃ楽しかったんですよ！
それで、自分が一番楽しめる表現は
かわいいなんだ！と気づいたのがきっかけです。

――ハロー！プロジェクトには嗣永桃子さんや
道重さゆみさんといった「かわいい」を
追及し続けたレジェンドもいらっしゃいますが、
そうした先輩たちのように自分もなりたい？

　自分が「かわいい」を突き通すように
なってから、お母さんには「嗣永桃子さん
みたいになってほしい」って言われました。
嗣永さんって、カントリー・ガールズのときは
めちゃめちゃかわいいじゃないですか。
でも、Buono!のときはまったくの別人の
ようにめちゃめちゃカッコ良くなるし、
バラエティ番組ではめちゃくちゃ面白くて、
爪痕も残していく。私、鈴木愛理さんも
アイドルが憧れるアイドルとして尊敬
していて、なにをやっても完璧なところが
大好きなんですけど、嗣永さんは鈴木さん
とはまた違ったなんでもできる人で、
とにかギャップを活かせる天才みたいな
ところがカッコいいなと思っていて。
なので、私も嗣永さんのようなアイドルに
なれるように頑張りたいです！

――ということは、橋さんもそのうち小指から
ビームを放ったりするようになるんでしょうか？

　それは嗣永さんの必殺技なので、
私は私で自分のキャラクターに合った
技をいつか開発したいと思います（笑）。

――実際、橋田さんは今に至るまで
かわいい路線を突き通しているアイドル
だと思います。

　それは、みつばちまき先生のおかげ
でもあるんです。私のこのキャラクターを
決めるのを手伝ってくれたんですよ。
だからすごく感謝しているんですけど、
私ってもともとパッとしないというか、
なにもキャラがないメンバーで。
まき先生はダンスの踊り方やおぼえ方も
私に教えてくださった恩人なんですけど、
実力診断テストでかわいい曲をやった
ときに「カッコいい曲もやってみたら？」
とアドバイスしてくれたんです。でも、私は
頑固だから「私がかわいい曲をやると
いったらかわいい曲をやるんだ！」と思って、
その翌年もかわいい曲で貫いたんです。
そしたら、そのあとのレッスンでまき先生が
「橋田が一番魅力を出せるのは、『かわいい』
だと思う。それは橋田のキャラだと思うよ」
って認めてくれたんです。背中を押された
というか。あの言葉がなかったらどこかで
ブレていたかもしれないし、まき先生の
おかげで今の自分があるんですよね。

　私がハロプロ研修生時代からずっと
モットーとしていることは、“かわいい”を
貫くこと。そう決めたのは、研修生時代に
年に1回行われていた『公開実力診断テスト』
というイベントがきっかけでした。

　賞を獲得するのはカッコいい曲を
パフォーマンスする方が多いイメージが
あって。でも私が好きなのはかわいらしい
曲だったので、その壁を壊したいと
思ったんです。かわいい表現に振り切るのは
難しいけど、私にとってはすごく楽しことだし、
「なんでもできるアイドルになる」という
目標のためにも、絶対に貫いていきたい
ことです。

（中略）

　自分の魅力を一番伝えられるのは
“かわいい”を表現するときだと思うので、
それを忘れずに、表現の幅を広げて
いきたいです。理想像は嗣永桃子さん。
かわいいを貫いているのにカッコよさも
持っていて、バラエティではキャラクターが
強い、そんなアイドルになりたいです。

先生が「今までカッコいい
窪田七海しか観たことなかったけど、
一気に殻を破って、かわいいに全振りした
パフォーマンスが素敵だった」とおっしゃって
いるのを聞いて、